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初めの記事

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漂蕩 - メッセージ・イン・ア・カプセル

お昼に食べるラーメンだけを楽しみに、エロショップへ出勤したある日。店の前に見慣れないライトバンが止まっていて、店長が荷卸ししていた。「おう、これ運んでくれ!」挨拶も抜きにご挨拶だ。タイムカードもまだ切っていないというのに。ーーなんですかコレ?ライトバンの後部座席には大量のダンボールが積まれていた。どうせまたよからぬものでも仕入れて来たのだろう。*「一箱四千円」店長は積み上げたダンボールの頭を自慢気...

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異存 - マッチポンプなロミオとジュリエット

見える人は、見える(と主張する)人を疑ぐってかかる。こちらからすれば、まとめて「自称霊感さん」なわけだが……だって幽霊なんか見えないし。「自分と同じものが見えてたら信用する」異主、指輪で書いた店長と、久方ぶりに顔を合わせたときだ。人によって「見えるもの」や「見え方」は違うらしいなんて話も聞きますよ、そう伝えて店長は頑として譲らなかった。「分かるけど、ホントに見えてるもん同士はどっか合致するよ」タメ息...

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秘密 - ****

今日も跳んでる。ピョンピョン、ピョンピョン跳ねている。ピョンピョン、ピョンピョン、ピョンピョンピョンピョンーー前に見てから二週間。いや、一ヶ月かな。一週間……?蝶々じゃない。だって飛べない。飛べないの?ピョンピョン、ピョン。好きに跳ねてるのは自由。一生懸命なのは、逃げ回ってる。ピョンピョン、ピョンピョン。追いかけてーー女の人がバッグを地面に被せてる。ウサギ跳びみたいに。スーツのきっとOLさん。なりふり...

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封淫 - 現代式退魔法

インテリアのように並ぶオナホールに絶句した。まるで愛車に乗せたぬいぐるみのように、TE◯GAに始まり多種多様なシリコン製ジョークグッズが肩を寄せ合っている。ハテ? 仕事が終わったのか、今から仕事なのかよく分からなくなった。*一仕事終えた早朝、外は真っ白だった。人が原付で出勤したときに限ってこれだ。電車で帰ることも出来る。ただ、始発まで一時間以上あるうえに駅がまだ開いていない。「家、来ます?」一人でボヤ...

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孤独 - 隣の芝生は青い

今時どこにでも転がっていそうで、でもそうそうないようで……やっぱりある複雑な家庭事情の人の話はよく聞かされる。フリーター時代に知り合ったブッチは不憫な子だった。ブッチの母親が彼を産んだのは17歳のときーーいわゆるデキ婚をしたが、父親が働かない系男子だったのですぐに離婚。母親は高校を中退して水商売に足を踏み入れた典型的なパターンだった。「父親の顔、知らないんすよ」ブッチが9歳のとき、母親は再婚した。バ...

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