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初めの記事

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伝染 - 空のカケラを写し取る

カシャ、カシャと音が聞こえる。スマホで写真を撮っている音だ。音の"源"をフワフワと探っていて、お召し物はミリタリー柄で揃えた高校生ぐらいの男女数人が目に入った。自撮りしているようだ。顔には傷ーー特殊メイクを施していた。駅のホームに電車が止まる。待っていたから乗る。(あぁ、ハロウィンか)座席の端でもたれるように電車に揺られながら思った。休日の午前9時過ぎ、人は多い。朝っぱらから土下座して来た帰りだった...

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景観 - パラレル鉄道の旅

やることのないときはどうするか?一人暮らしの知り合い宅に転がり込んでゴロゴロするのが一番だ。男三人、ワンルームで空き缶とテレビを見つめて口の端々から好き好きにこぼれる言葉は、会話になっていない。寒過ぎるエアコンの設定温度にケチをつけようとしたとき、画面から流れるニュース番組までの繋ぎ放送に目が止まった。深夜から早朝にかけては夜景かテレビショッピングで、そのまま天気予報などが始まるパターンが多いと思...

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同類 - 我、諦め切れずせめて

飲み会まがいで知り合ったナミさんは複雑なお人だった。当時でアラフィフだったが、とてもそうは見えないお綺麗な方で既婚者だった。「私が彼氏いる理由分かった?」僕の隣にいた彼女は、そう言ってニッコリ笑った。19で結婚した相手は28でバツイチ子持ち。子供は前妻が引き取っていたという。「アンタの旦那の子を身ごもった」ナミさんが28になったある日だ。突然、自宅に押しかけて来た女からそう告げられたという。相手は...

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貼紙 - ニの轍踏まず

「頭上禁止」ある日、当時住んでいた自宅マンションの廊下でおかしな貼紙を見た。共用部の廊下の壁に貼られたそれは、手前で右に曲がってすぐの部屋に住む僕には、わざわざ確認しなければいけないものだった。それでも見てしまったのは、そのマンションの管理会社が少々口うるさかったからで……「頭上禁止」ーー頭上注意、ならわかるが頭の上のなにを禁止するというのか。添え書きもなにもない。パウチされたA4サイズの貼紙に天井で...

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閑話 - 七十話

予想は裏切られずにいて期待は裏切られる...

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